毎日のようにスタートアップが生まれるシリコンバレー。環境があるだとか、エコシステムがあるからなど様々な理由があると言われています。
留学前から『シリコンバレーのピッチはどのように行われるのか』と気になっていたため、早速参加してきました。
そもそもピッチとは
ピッチとは、「限られた時間で相手に自分のことを説明すること」という意味だそう。
シリコンバレー発祥と言われ、「忙しい投資家にサービスを説明するため」に用いられます。
『エレベーターで会った投資家に30秒で自社の価値を伝える』『結論を先に伝え、投資家の意思決定を仰ぐ』など、とにかく「短い時間の中で、何をやっているのか」を伝えるということが目的になってきます。
アメリカのいくつかの企業では、ピッチの研修なんかもあるのだそう。
ちなみに、ピッチで重要なポイントは
- 自分たちができることは何か
- 問題をどう解決していくのか
- 自社を選ぶ理由
- 相手に意思決定して欲しいことはなにか
を意識すべきなのだそう。参考記事はこちら
ピッチイベントの様子
緊張感が漂っているのかと想像していたのですが実際はそうでもなかったです。正確には、緊張感がないわけではないのですが自然体でピッチをしている様子でした。
投資家の紹介やこのイベントを趣旨を説明した後に早速ピッチが行われました。
総勢20人以上の起業家が、90秒で投資家に会社やサービスを説明していくという流れ。そしてその後は2分ほど質疑応答の時間が取られ、1人が終了。
約3分半で起業家たちが説明を繰り返していくという循環でした。
スライドを使って説明を行うのでなく、自分の言葉で三人の投資家へ対して説明していました。
スライドを使う手間も省くほど、効率的にイベントが回っていました。
合理的だと思いました。実際、投資検討に時間を割くのが目的であるため、ピッチは伝わりさえすれば良いからです。実際のピッチの様子。スライドを使わず、90秒で全て説明しています。
投資家のフィードバックを受けています。後にVCの方に聞いたのですが、投資家の方にもテンプレートの質問があるそうです。
起業家が待機しています。フリーフードがあるため和やかに待つことができます。
つながりを作る環境が構築されています。
イベント後の交流の様子。その他VCなどがこぞって気に入った起業家にカードを渡しています。また、起業家が投資家に質問をするなど、密度の濃い時間でした。
感想
ピッチイベントに初めて参加したのですが、このようなイベントが当たり前に行われているのを見ると、やはりすごいなと感じました。
しかも、すごくラフな雰囲気でピッチをし、投資機会を検討され、出資をされ、次の世代を担う企業が生まれてくる。
この循環の速さに感激しました。
とにかくスピードが早い早い。
毎日これが行われているのであれば、企業が生まれるスピードも。育つスピードも、そして潰れるスピードも早い。
ということは、失敗や成功を早くから学べるということです。その経験をし、今後の人生にそれぞれが活かしていく。
環境と条件が揃っていると感じました。こっちで起業してみたくなるほどの高揚感です。
『ラフな雰囲気でピッチをしている』と書きましたが、それはこのようなものがあるからです。
イベントに参加するための費用はたったの15ドル。
僕は15ドルを支払い参加しました。(正確には消費税込みで16.86ドル)それを払うと、イベントに参加できます。日本のイベントにもよく参加費1500円のものはあるため別に驚きません。
しかし、見ていただきたいのが『pitch ticket』の部分。事業に自信がある人、投資を受けたい人たちが20$~30$の参加費を払います。すると、それだけでもうピッチができるわけです。
すなわち、英語ろくに話せない、事業プランも大きなものがあるわけでもない僕も、30$の参加費さえ払えば、ピッチできてしまうのです。
このような環境が用意されているからこそ、人々がやってみる気になる一つのきっかけなのではないでしょうか。
僕もこっちにいる間にやってみたくなってきました。