【建築で世界に貢献したい】私が人生を懸けてやりたいこと ~最終章~




これからの大きな展望

三浦: これからの展望を聞きたいです。

後藤: 色々考えています。

建築家になって家だけを作るのは少し違うなと感じていて、かといってコマーシャルビルディングを作るのも少し違うかなと思っています。

ただ、実践練習を積むという意味で働くことはマストです。

働くことで大きな学びを得られることは確信していますし、最近までアパートデザインをやっていて、今は住宅デザインをやっていて、両方好きではあるんです。

それらが自分のこれからのデザインに生きることは変わらないので、何か挑戦する機会があれば、ワクワクすることを、それから少しでもそのワクワクを、楽しさを、幸せを建築を通して表現していけたらな、と。

Instagramより

三浦: ぜひ聞きたいです。

後藤: これまで軸はぶれたことはなかったけれど、小さなこと自体はコロコロ変わっていく場面もあったんです。

その中で確固たるものだったのは、地域に貢献したいということです。

夏に友達プログラムというソフトバンクのプログラムがあるのですが、そこでTAとして参加させていく機会がありました。

災害にあった岩手、宮城、福島県から100人の高校生をバークレー大学に招待し、シティプランニングを学んでもらい、アクションプランという自分たちの地元にどういった形で貢献できるのかということを作り上げていく、というプログラム内容を、私が今インターンシップをしているY-PLANと協力して行っているものです。

地域に貢献しようとした時に、なにが難しく、高い壁となりえるのかというと、それはその地域にリソースやインフォメーションがないからという現実をこの経験を通して実感しました。

例えば、体育館に避難した時、みんなが同じところに集まって避難をして寝床を作っていますが、プライベートがないために不安が伴ってしまいます。

でもその時に坂茂さんという建築家の方が船のコンテイナーでテンポラリーのアパートを作っていたんです。

一見、普通のアパートなのですが中がものすごく綺麗に装飾されていて、それに感動したんです。

また、体育館でプライベートなスペースを確保するにあたって、トイレットペーパーの芯のような長い紙の筒上のもの組み合わせ、格子をつくり、それらに布をかけることによって、大きな空間から小さな空間を生み出したんです。

東日本大震災 津波 支援プロジェクト記事より参照。

その素晴らしい空間を、ほとんどのお金をかけず、あるものだけで作ってしまうことに、建築家としての在り方を改めて考えさせてくれました。

もちろん、リソース全てがその場にあったわけでなく、少し調達はしていたようなのですが、調達した物品が低コストで環境に良いものだったんです。

これから先、建築家としてこのようなことに少しずつ関われていけたらいいなと思っています。

私の場合、そのようなものを提供する側ではなくて、私が学んできたことや人生経験を通して安全な場所で住むことができない人たちにどうやって家を作るのかを教えて、その学びを彼らでシェアしてコミュニティを再構築していけるような側面で貢献したいなと思っています。

そのプロジェクト発足させるのが最終目標です。

食料を一時的に供給したり、ボランティア派遣だけでは短い間しか変わらないと思っていて、例えばここの土地ではこういう資源を生み出せるから、数年後にそれを使って家が作れるように今から蓄えていこうとかしたら、もっといいものができるんじゃないかなと。

そのような次の時代にも続いていく学びを継続できるような仕組み作りをできればいいなと思っています

それらを通し彼らの生活に少しでも貢献できれば幸せです。


坂 茂(ばん しげる、1957年8月5日-)は、日本の建築家。日本建築家協会名誉会員[3][4]。ニューヨーク州登録建築士[5]。アメリカで建築を学び、紙管、コンテナなどを利用した建築や災害支援活動で知られる。1996年吉岡賞、1997年JIA新人賞、2009年日本建築学会賞作品賞、2014年には建築分野の国際的な賞であるプリツカー賞を受賞している。2017年にマザー・テレサ社会正義賞を日本人初受賞。(Wikipediaより)

三浦: もう1つあると言っていましたね。

後藤:ユニットレススペースと言って、単位のない空間を追求してみたいです。

私の人生だけで解き明かせるものかはわからないですが、単位を全て世の中から取ったらどうなるんだろうということに関心があります。

今だったら、例えばペンは1″本”になるし、消しゴムだったら1″個”になります。

水だったら500″ミリリットル”とか、電気は”ワット”。それぞれ単位が存在していますが、それを消去した時にどういう空間が生まれるのだろうということに興味を持っているんです。


Instagramより

三浦: それは一回も考えたことなかったです!

後藤: もしかしたら単位を全て取り外すと、結局、単位はひとつだったのかもしれないという結論に達するのではないかと最近考えていたりもします。

電池の単位はワットですが、そもそも電気を作るものには粒子があり、それより小さいものも存在して…と、どんどん細分化していくと結局は1つの単位に収められるのではないかなと。

そこに今好奇心があり、追求したいなと思っています。

三浦: それは建築から少し離れて、ある意味全ての物質世界が結合するみたいな意味合いということですか?

後藤: 離れはせず、それを建築で表現したいと思っています。

先ほど述べたことと、ユニットレスの話を混ざり合わせ、その統括をしたいかなと思っています。

アートディレクターのような。でも一番やりたいプロジェクトは初めの方で、同時に並行してやりたいものはユニットレスの方です。

色々やりたいことはあるのですが、最初のプロジェクト自体は既に出来上がってるので、立ち上げというよりは大きな木の幹としての存在として関わりたいですし、後者の方は自分で0から挑戦してみたいなというのがあります

そのようなことにこれからどんどんチャレンジしていきたいなと思っています。

自分が影響を与える人間になりたいとか、自分がデザインしたビルが後世までずっと残っていればいいな、などとは全く思わないんです。

誰か少しでも、私を通して何かを得てくれたら嬉しいですし、日本に興味を持ってくれるのも嬉しいです。

私は、彼らの思いを形に変えて叶えられる存在であると同時に私の思い描いている世界にたくさんの人を巻き込み、ワクワクするものをこの世界に生み出せればな、と強く思っています。

【今回のインタビュイー 後藤香奈について】

[後藤香奈に関するその他の記事]

Second Impression at UC Berkeley によるインタビュー記事

・中学生として3年間通い、高校生としては1ヶ月通った跡見学園へ向けて執筆した記事

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Kana Goto’s Instagram

 

ふみや
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