こんにちは。三浦 (@fumi_12_20)です。
サンフランシスコにいられる期間も気がつけば10日を切り、最後の仕上げに入っています。
そんな今回はパーソナルオンデマンドスタイリストサービスのBoon+Gableを試してみたので体験レポート書きます。
目次
Boon+Gableとは?
Boon+Gableはオンデマンドスタイリストサービス。
アプリから自宅に専属のスタイリストを呼び、持ってきてもらった服を試着し、もし気に入ったものがあればその場で購入できる仕組みです。
顧客側とリテール側2つの側面から見た時の課題を解決しようと思ったことが設立の背景だそう。
1.顧客側
まずどんな服が自分に似合うのかわからない。また、どのように着こなせばいいのかということも。加えて、例え気に入った服があっても、それを買う際には試着しなければ実際のイメージが掴めなかったということ。
ファウンダーのLoviglioを例にすると、彼女は買い物に行くことがかなりストレスだったそう。いつもGapやTeva’sの決まった服装をしていて、まるでユニフォームだったと言います。
しかし、当時のスタイリストで今COOとして一緒にやっているNicoleと出会い、自宅でNicoleおすすめの服を着ていくうちに服のセンスがものすごく向上したそう。
顧客が悩まずにスタイリストからのアドバイスを受けながらファッションに対する抵抗をなくし、知識や楽しさを見出そうというのが1つの狙い。
2.アパレル側
店員側からすると顧客は買い物を自身で楽しみたかったり、顧客の好みがわからないまま服を提案することの非効率性があるということが課題でした。その解決策になるのではと作られた背景があるそうです。
3.企業情報
2016年6月の時点で60%以上の顧客が8-10週間に1回スタイリストをリピートし、1回あたりの購入額の平均は$700だそう。
Boon+Gable側は41000アイテムを所持していて、1人/1回あたりの顧客のとのアポイントメントに備えて20アイテムをパーソナナライズされたデータから持ってきてくれ、ファッションや着こなしに関連したアドバイスをくれる。
2013年に設立され本社はサンフランシスコに置かれる。現在はシードラウンドで、CrossCut Ventures、Female Founders Fund、500 Startupsなどから出資を受けている。
体験レポート
1.アプリ or ウェブから自分好みのスタイルを選択
早速体験したことない面白いものが。
まず最初にやることは上記のようなモデルが着ている服を見ながら「自分の好みやよく着る服のタイプ」などを選択することです。
例えばこの人が着ている「スウェットは好きですか?」「ローファーは好きですか?」などの質問に全て答えます。
ただここにはしっかりと工夫もあり、選択は必ず「Like/Dislike(好きor嫌い)」の2択。そのため、回答に時間をかけずにポンポンと答えていくことができます。
こういった質問が4~5回繰り返されます。パターンで顧客の好みを探っていっているはず。これ自体がかなり面白かったです。
2.所有ブランドを選択
服の好みの選択が終わるとお次は「所有ブランドを選択」画面へ。正直なところ知らないブランドばかりで90%以上Noの回答が続きましたが、ブランドの嗜好性を参考に、顧客が好きそうな服を持ってきてくれるのだと思います。
案の定ほとんどNoです。Paul Smithに唯一「Yes」と書きましたが、持っていたのは大学1年生の頃買ったPaul Smithの財布を中央線にて置き引きされるまでのたった2ヶ月間だけでした。あれからバッグはどんな時も抱えて電車に乗るようにしています。
3.好きなブランドを選択
持っているブランドでなくて「好きなブランド」を選択します。
服に全く精通していないことに加え、服をファストファッション以外で買うという行為をもう3年ほどしていないのでとりあえずよく行くお店を書きました。
4.服のサイズと価格範囲を選択
服のサイズと予算の範囲を選択。サイズは服を買うにとって最も大事な部分です。
例えスタイリストがいい服を持ってきたとしても高すぎたりしてはお互い損してしまいます。そのために予算を記入します。
これ以外にももっと細かい質問で「ローファーは好き?」「セーターの繊維は何が好き?」「ジーンズはスキニーとダボダボとカジュアルどれが好き?」など、顧客1人1人に合わせた服を提供できるように丁寧に聞いてくれます。
5.身長、体重、生年月日を登録
「服のサイズ」は大きくSmallやMidiumと決めてもやはり身長は特に重要なのでここに記入します。
生年月日は年齢や世代によって服のトレンドや好みが異なるため記入するのだと予想しています。
6.服に関する情報を登録後、予約へ
それぞれの服に関する情報の記入終了後にスタイリストを家に呼ぶことができるようになります。
ちなみになのですが、「初期ユーザーの獲得がうまいな」と思ったもの。
僕がこれまで使ったサービスは『使用前』に個人情報やクレジットカード情報を登録しているものが多かった印象でした。
しかしこれは、紹介した一連の流れ全てを楽しんだ『後』にユーザー情報の登録の画面に導いてきました。
「ここまで服やサイズ回答して、結果も気になる氏ユーザー登録しちゃおう」と思い僕は登録しました。
ゲーム感覚で好みを回答した末に、気がついたらユーザー登録も終えていました。ここが少しうまいなと思ったのでここに書いています。
予約完了しました!5月5日の12:30pmから指定した住所にスタイリストが来てくれます。
スタイリストと対面!
予約日が近くなると「この人が担当です」という通知がきます。スタイリストとはリアルタイムで連絡が取れるため安心です。
担当のStacia。気さくでいい人でした。
このようにアプリを通してメッセージすることができます。
1.持ってきてくれた服を試着する
僕のデータをベースに合計15着ほどの服と靴1セットを持ってきてくれました。自宅にて試着大会が始まりました。体験して思ったのは、お店の少し忙しなかったり試着室の待ち時間がなくのんびりとスタイリストと話ながらいろんな服を試せるのは楽しく便利だなと思いました。
…とまあこのような感じでパターンを15~18パターン試しました。しかしその手間も非常に手軽です。なぜなら靴は1足、ボトムは2着、トップスが12着ほどあったため、変えるべきは上だけなので着替えがスムーズでした。
あと人の目を気にせずにその場で好みに合わせてパパパと入れ替えできるのはいい体験でした。
「服を欲しい時にだけスタイリストを呼んで買い物や新しい服のトレンドを学ぶ」といった機会もこれから増えていくのではないかと思いました。
2.気に入った服をその場で購入
散らばってはいますが、試着する中でお互いが「これいいね」またはスタイリストが「似合う!」と思ったものがソートされていき、最後に残ったもの、さてどれを買う?という話になっていきます。
結果7着ほどが残りました。この段階では、スタイリストが正直に価格を言ってくれます。その価格はオリジナルの値段に15%のサービスフィーが乗せられたもの。
15%はスタイリストの給料にも入り、少しはBoon+Gableの方に入るのだそう。
また、支払いの方法は少し変わっていて、僕はその場で僕が選んだり、購入物を選択してあとからオンラインで支払い、後日服が配送されるのかなと思っていました。
しかし実際は僕が「買う!」と言ったものに対してスタイリストが「了解!」と言ってBuyのボタンをタップすると購入できるというもの。
絶対にないでしょうが、スタイリストが全て購入ボタンを押したりするのもありえるのでしょうか。非常にびっくりした瞬間でした。
ちなみになぜその場で購入できるかというと、クレジットカードが既に僕のアカウントに登録されているからです。
正直なところ、「これ欲しい!」というクリティカルなものはなかったのですがサービスを体験する代として一番安いTシャツを選択しました。
そうすることによってその後にクーポンが効くだとか15%のお話も聞けたので結果としてはよかったかなと思いました。(ただTシャツの値段はいつもだったら決して見向きもせぬ!と思うお値段でした。。笑)
購入したTシャツ。
3.サービス体験後
体験後は即時で「レビューをお願いします」とBoon+Gabelから通知が来ました。スタイリストの方はとても面白くノリも良い方でとても楽しい経験でした。
UBERのようにレートをつけてフィニッシュです。
感想&まとめ
普段は「1人」で「自分好みのもの」で「自分が知っている限りの着こなしの知識を前提」に服を買っていました。
その上、お店ではじっくり選びたいため店員さんと話す機会も少ないですし、僕自身強い興味を服に対して抱いていないために勉強しようとも思いませんでした。
しかしBoon + Gableでは、その場で服の知識が増えていきます。
例えばもし「このデザインは好きなんだけどいつ着るのかな」「これに合う色やコーデは一体なんなのだろう」という疑問に対してもスタイリストがその場で回答をしてくれるため、着て街を歩いている想像ができるようになります。
また、ファッションのプロと1対1で密に会話を重ねながら服選びや、着こなしや素材の話ができるというのは実践的な体験としてより1人の人間に興味を抱かせやすいなと思いました。
このような「体験型」というのがやはりこれからの時代は強くなっていくのでないかなと僕みたいな「モノの購入や所有」より「体験」を重視する人間からすると思えました。
余談ですが、ファッション業界やモデルの話など、普段触れないトピックを知れるというのもまた話し好きの僕としては楽しい時間でした。
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